投稿日:2018/11/11(Sun) 17:40 No.74

(サカキ ラン......サカキ...ラン??)

それが裸んぼさんの名前。あの美少女の名前。ラン....

どこかで聞いたような

ホクネイ...ソウチョウ....


ラン

ごく最近か昔の記憶か
ダメだ
頭がうまく働かない


「ご理解頂けた表情だと読み取ります。....さぁ、もう拒否や誤魔化しは止めてくださいね。」

ヒリツいた空気が徐々に和らぐのを戸越しに感じる。
だが暗雲は、雷はまだ彼女の頭上。

「これを持って。はい。....ほら。」


何を....??


「質問。あなたが手に持っている物は?」


何を持たせた??まさか、アレ


「.....」

「うん。なるほど。」

「再三の検査妨害。国の非常命令権限により、蘭様。」

「あなたをレベル5管理対象とみなし、これより保護及び隔離させていただきます。」

(えっ!わかんないけど、大変だ!カクリなんて.....)


「まっ、待ってください!!クサナギさん!それは度を超えています!待って!!」

カジワラの取り乱しが僕の脳をより複雑に回転させる。


「度を超えているのはどっち?あなたはわかっているわよね、この有事。攻撃対象はこの娘。この娘の協力なくしてはこのパンデミックは止められない。皆死んでしまう....かも。なのに自分の事ばかり。もう時間の無駄。強制検査に入らせて頂きます。」

「くっ!蘭様!何とかクサナギ班長にご協力をっっっ!このままでは苦痛を超えた検査を....レベル5認定をされたらヌギ学との闘いどころではなく、下手をすれば一生隔離の可能性も....」


(い、い、一生!!!そ、そ、そんな)

「どこに電話を?」

「あら?カジワラ君。あなたも   逆 ら う気?   」

「僕は北根井科学班です。蘭様の為なら国にも逆らいます、が待ってください。検査はこのまま続行します。お願いします。お願いします!!」

レイの頭の中でまた一つ弾けた部品。

忠義。

裸に剥かれた彼女。隔離される彼女。

誰が守る?

戸と同化し、欲の権化と化すのみの存在。

何を成す?

カジワラの言葉が酷く遠く、余りにも深く刺さった。


「電話を渡しなさい、カジワラ君。時間の無駄よ。」


「蘭様!!お願いしまぁぁす!!!あなたは僕らの、北根井の希望なんです!!検査をうけてくださぁぁぁぁいぃぃぃぃぃ!!!」

普段大きな声を出さないのだろう。声は上ずり、不安定。

が心。
心がこもっている。
彼女を....ランさんを想う心。


「無駄よ、カジワラ君。さぁ早く」





「け....んさ受ける」


「えっ!!」

「検査....してくれ....頼む....」

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