投稿日:2018/11/01(Thu) 21:10 No.70

「い.....いや......」

「付いているのに、気づいてないとなると、これは異常です。お答えください。」

(付いてると白状するんだっ!!さぁ!さぁ!)

恋焦がれた若き男子。目血走り、欲には勝てず、姿見えず、色見えず。
されど耳に入るは極楽蝶。盲目なれど色に溺れ、夢を歩き、脳溶かす。
彼女を想いし、あの情念、色を落とし、影隠し、泡と消える。


「.....」

「ご安心下さい。私にだけ聞こえるよう小声で。さぁ」

(聞いてるぞ!さぁ!さぁ!)


「....気づいて..ない」

「なるほど。質問を続けます。排便した後、ちゃんと拭いていますか?」

「ふ、拭いてるっ ちゃんと拭いてる!」

「だったら、これは?」

「えぅっ........」

被告人、述べよ

「私だけには本当の事をおっしゃってください。検査を長引かせたくないでしょう?いつまでもすっぽんぽんですよ。」

そう。彼女は全裸。全て取り上げられ、肌色。
隠してたウンチのカスまで取られ、ミジメ一色。

暗雲は今、彼女の頭上。
雨だ。

「うっ....うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅう」

  被告人、述べよ

「これはあなたの肛門に付いていた、うんこです。付いている事に気づいていましたか?」

「うぅぅぅぅぅ....うっぅぅぅぅっぅううう」

「どうです?」

「....き、き、昨日は....落ち着いて、トイレ、できなかった...から。だから....でもっ 拭いた!拭いたん....だ」

「昨日は長丁場の戦闘があった。落ち着いて、お尻を拭けなかったんですね。」

「そ、そう 拭いたけど....」

「これは、たまたま、と。」

「.....うん....いつもは、そんな事....」

「拭けている、と。」

「......」

「たまたま付いた、これ。この茶色。ちょっとじゃないですよね。気づいてなかった、と?」

「えっ...はい....うん」

「異常と判断しますがよろしいですか?今の発言を信じますよ?」

「ううっぅ」

「大丈夫。誰にも言わない。だから、ね。頑張ろ。教えて、ね」

    被告人、述べよ

「......た......」

「もう一度」

「き、気づいてた.......」

「何に?」

      被告人、述べよ


「よご...れにっっ」

雨のち雷
落雷注意

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