投稿日:2018/10/18(Thu) 01:37 No.55

「うぶ毛、データになるかしら?」

「検疫にまわしてみない事には....まぁ本当に必要なのは分泌液なんで。採取しましょう。」

「OK。じゃぁスポイドを....んっ?」

スンスン スンスン
ご飯を嗅ぎつけた僕のよう。誰かの鼻が鳴っている。

「ちょっとカジワラ君、マスクのスメルパーツを外して。」

「どうしました?」

「臭わない?...この臭いは異常じゃない?」

スンスン
「臭いますね。仮説ですがナノマシンが粘膜に吸着する事によって、何らかの影響が」

スンスン
「やっぱ臭うね。」

スンスン
「分泌液が酸性からアルカリ性になってるんでしょうか...」

(ふざけるな!臭いわけないだろ!あんな美少女が!)
だが今のレイは自分も嗅ぎたいという欲求の方が強い
遠ざけてるだけで
言わば自分にカッコつけている

(違う!!臭いわけない!!臭いわけ...)

「く、臭くなんかないっ!」

(そうだ、そうだ!!......)

んっ
しまった また出た!.....

(いや、僕の....声じゃないぞ)

ドキン

はっきりした声。
『どしたん?』あの時聞いた声。

我慢に我慢を重ねきた彼女のダムに亀裂が走った瞬間。

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