
砲 投稿日:2018/10/15(Mon) 02:34 No.50
「はい。結構です。次は後ろを向いてください。私達に背中を向けてください。」
ぺた.....ぺた
「はい。それでは気をつけで背筋をのばしてください。」
「手は気をつけでお願いします。」重ねて言う。
「背中が丸まっておりますので、背筋をのばしてください。」
指摘が多い。それだけ戸惑いがあるのだろう。
「.....そのままでお願いします。動かないでください。すぐ終わりますので。」
今、彼女にとって ”すぐ終わる” とは、どれくらいの時間なんだろうか?
この測定時間、長く、長く感じているはず。当事者じゃない僕がそうなんだから。
「はい。あっ!まだです、まだです。後ろに向き直してください。まだチェック箇所がございますので。同じ姿勢でお願いします。」
確かなあせりが伝わってくる。
彼女自身の姿は見えないし、言葉もないが
女医の指示の抑揚、足裏と床の音。
この情報だけで彼女の心情は十分だ。
「それでは両手でお尻の割れ目を掴んで頂いて、お尻の穴が私達に見えるようにお願いします。」
え
え
(お尻の穴ってなんだ...なんだっけ?穴...穴なんかあったっけ?)
自問自問自問
「へっ!?!?」
えっ
あっ これは僕の声だ。思わず声がでた。しまった。
あわてて口をおさえる。
(僕は何も聞いてません!今のはただのしゃっくりです!)
心で弁解。
「......」
沈黙が恐ろしい。
(僕が声を出したからか....すみません..)
「.....皆の命が掛かってるんです。お願いします。」
真剣な想いが伝わる。
ごきゅ
唾を飲まずにはいられない。彼女だって
「......ありがとうございます。」