投稿日:2018/10/13(Sat) 00:48 No.37

総勢500人余り、皆声の主を見る。

あっ
右端の女の子だ!僕はバスの中を思い出す。

仁王立ち姿の彼女はかくも美しい。


威風堂々。この言葉が真っ先に思い付いた。国語の授業で習ったばかりの言葉。意味はわからないけど理解している、今。

腕を組み、周りを見渡す眼光。
皆、黙って彼女を見る。そしてそれぞれが元の位置へ帰巣本能で帰っていく。
眼で殺す。本当に殺されるんだ。かくいう僕も殺され、背筋が伸びていた。

「えー。落ち着いてくれて何よりです。...パニックを起こさせてごめんなさい。...命の危険はあります。が治療できます。死ななくてすむんです。まずは衣服のウイルスを除菌し感染拡大を防ぎます。皆さんの学校、乗ってきたバスはすでに除菌中です。どうかご協力をお願いします。」

女医は深々と頭を下げた。

そう言われても、全裸になれなんて.....

「皆さんの持ち物全てバックに入れ密閉してください。持ち物、そして皆さん自身の除菌が確認できればすぐに帰れます。」

すぐに帰れる。その言葉に一人、また一人と制服のブレザーを脱いでいく。

えっ
ここに来て、僕の中の男子が葛藤する。
ここに居ていいのか?自分が裸になる。の前に!!
女子が、一緒のクラスのぽんちゃん、かなっぺ、そして明美さんの裸を.........

わっ!!!!!
明美さん!!

目の前に明美さんが居た。これからブレザーを脱ごうとするマドンナと目が合う。


「レイ.....君.........なんで....」

えっ

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