投稿日:2018/10/12(Fri) 19:58 No.34

バスの中、みんな震えてる。当たり前だよな。僕だってそうさ。
おかげでなのかわからないけど、僕に気づいてない。
僕という違和感に。

それよりも緊急だ。
僕は一番後ろの長座席の左端に座っているんだけど。隣に座るのはクラスのマドンナの明美さん。ロングの黒髪から漂うもぎ立て果実の如く匂い。
こんなに接近した事ないからやばいよ。心臓が。ぴょーーー

明美さんは見た目の美しさから想像できないが喧嘩が強いらしい。
またケンちゃん談だけど。
そんな彼女も俯いて暗い顔してる。当たり前だよな。

んっ
明美さんの隣のウド子の隣のサエの隣の子。
誰だ??
見たことのない女の子?
右端の窓際に座る茶髪の子。肘をかけ外の景色をぼーっと見ている。
この状況に恐怖してるとは1mmも感じさせない。
スカートは制服だが、上にはオシャレなフード付きのジャージを着ている。

僕は目が離せなかった。隣のマドンナ明美さんより、初めて見る彼女を。

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